みずたまり

はしりながらねむれ

わかれをかさねる

 少し前に、たまたまというか、わりとよく行く道の駅に行った。何を買うというわけでもないけれど、なにか野菜があるといいなというくらいの気持で。すると、桃や梅や桜や辛夷などの束が無造作というぐらいどうでもいい感じ(どれも100円〜150円くらい)で売られていた。ぼくは、そのどうでもいいようななかから桜をえらんで、レタスのような葉物の野菜といっしょに抱いてレジで精算した。桜の蕾は固く閉じていたけれど蕾の数はとても多かった。

 鳥取は三月もやはり気温があがらない日がつづいていていたけれど、テーブルの隅においた桜はすこしずつ蕾をふくらませていった。やはり室内はあったかいものなのだ。

 昨日になってこの桜の束がほぼ満開になった。毎日おきると水をかえていたが、それ以外にはまったくなにもしていないのに桜は花を咲かせた。すごいな。

***

 人は現在の自分からのみ成り立っているのではない。(略)ひとつの地表の下にいくつもの違った地層が重なっているように重なりあっている。三十六歳のあなたは、あくまで地表であるにすぎない。ーというような比喩を使って考えたかどうかは知らないが、この本は、そのような発想に基づいて、地表の下に埋もれている過去の自分の地層を明るみに出そうとする試みである。前作『冬の日誌』では、かつての自分の身体に起きていたことを著者オースターは発掘した。そして今度はこの本で、かつての自分の心に、内面にー内面と呼ぶに相応しいものが誕生する以前までさかのぼってー何が起きていたかを思い出し、生きなおそうとしている。

柴田元幸「訳者あとがき」ポール・オースター『内面からの報告書』)

 

 

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ことは、

ひとは、

すこしまたすこしとかわってゆく。

それぞれに別れ告げ、それをかさねながら。

祖母をおくる

1月27日12時35分に祖母が亡くなった。94歳だった。

両親がともに働いていたぼくは20年前に亡くなった祖父と祖母とに育ててもらった。

 

ひとの命に限りがあることも、祖母のそれがもうわずかしかないことも、頭ではわかっていたが。やはり、どうしようもなく泣けた。

 

冥福を祈る。

牛乳

ここのところ牛乳を飲むようにしている。

 

どうしてかというさしたる理由があるわけではない。なんとなく500㎖パックを買った。そして、あたためて飲んでみた。するとこれが意外にも、予想以上に、おいしかった。それで、500では飽き足らず1ℓパックを今回は飲んでいる。実に美味い。

 

今夜は雪が落ち着いた。ちょっとだけ雪かきをしていたら斜交いのお嬢さん(といっても成人)が出てきてやはり雪かきをはじめた。「こんばんは」と挨拶した。それから本当にこまったことですねぇなどという話題から朝はやく家をでないといけないという流れになった。お嬢さんは、遠い職場なので6時にはでないといけないと。ぼくは6時45分ごろ出てます(ここ数日の雪のあいだ)といった。ぼくもわりと遠いと思うが、それよりもずいぶんと遠いところにお勤めなのだとおもった。斜交いに住んでいるといってもまだこの町に住みはじめて3年くらいなので知らないことは多いのだ。

 

雪かきの後、あたためた牛乳を飲んだ。

 

 

ディープ

本年度。四月からぼくは何かとディープにこだわってきていた。

 

ところが、積雪がこんなにディープになるのは、まったく歓迎しがたく、ほとほと疲れ果てている。

 

二週間前の夜に滑ってこけた尾骶骨がゆきかきのひとかきひとかきにつけて痛む。罅とかはいっているかもしれないな。

 

今日は午後おやすみいただいて家の周りの雪かき。とりあえず一時間半やった。

 

写真はいくらなんでも、ディープすぎる現実。f:id:arakurenihonkai:20170124134735j:image

河野裕子短歌賞のこと

河野裕子短歌賞に2年連続で応募した。

といってもぼくではなくて若人たち。少数精鋭で去年は入賞2名+入選1名。もう去年のことになってしまったけれど、本年度は入賞1名+入選3名。40名×2首の応募でしかしていないので受賞率としてはすこぶるがんばっていることになる。(本年度の「青春の歌」部門の応募総数は15,070首

入賞作品入選作品をみるとわかるが、組織ぐるみでというか学校全体で取り組んで相当数応募しているところがある。学習院女子高等科というのは、もうすぐ発表がある若山牧水青春短歌賞の受賞作にもたくさんでてくるのできっと現代短歌をやっている仕事人がいるのだろうとおもう。それとも短歌をつくることに長く取り組んでいる伝統校なのか。そうそう、その若山牧水青春短歌賞にもこじんまりと50名ほどでやはり応募している。こちらに応募するのははじめてなのでどうなることか。永田和宏さんや紅さんという選者のところまでいくつか残っているといいなとおもうばかりだ。

 

ことし。1月17日。

今日は1月17日。

ぼくにとっては原点回帰というかrebornというか、とても大切な日だ。

 

5時46分にはサンテレビをつけて黙祷。

 

大森荘蔵が「時は流れない」といった、まさにそのとおり。たとえば、なにごとか抱えもったままあの日からのいまをいきているひとはたくさんいる。ぼくもそうでありたいとおもっている。

 

雪の残る寒い鳥取で、ひとつひとつをたいせつにして生きていく。

移動しつづけ

2016年。大晦日。

今年もぎりぎり人生だった。いまやっと最後の月末しめきりを脱稿。

12月の移動はなかなかのもので、ふりかえってみる。

 

3ー4日。みずたまり忘年歌会&忘年会 @大山(ガンバリウス)

13日。ウェブデザイナーさん旅行代理店さんと打ち合わせ @京都

17−18日。塔短歌会京都忘年歌会&忘年会 @京都

28日。若人をつれて @新大阪

29ー30日。若人たちと @新大阪〜鳴尾

 

 

昨夜は帰って来て夜、年賀状。

今朝は、中澤酒店へ辨天娘の新酒を買いにいく。「あらばしり」「中垂れ」を購入。

来年は酉年。

「水」+「酉」=「酒」。

 

すこやかにたのしくお酒がのめる一年になるといいな。

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