みずたまり

はしりながらねむれ

朝日新聞とっとり歌壇

ぼくは塔短歌会に入っているわけであるが、塔に入会する前に池本一郎さんとの出会いがあった。それは、神戸市灘区篠原中町から鳥取県に帰ってきていた1995年の秋のことであったと思う。 そのころ、ぼくはまだ短歌の実作をしたことがなく、大学院を出て、阪神…

『杉原一司・塚本邦雄 往復書簡』の刊行に寄せて

地元「日本海新聞」2022年7月10日付に掲載された『杉原一司・塚本邦雄 往復書簡』の刊行(鳥取大学他)に寄せてという題で、地元でもほとんど知られていない(悲しい!)杉原一司について書きました。掲載は紙幅の都合で700文字程度になりました。この往…

杉原一司中心主義的年譜のさらなる改定

修正はピンクです。

杉原一司中心主義的年譜の改定

このブログに載せている(現代歌人集会春季大会シンポジウム2019年6月28日開催にて配付)「杉原一司中心主義的年譜」は、拙論「杉原一司のめざめー〈メトード〉前夜ー」(『塔』2017年10月号)に掲載したものにほぼ基づいている。そしてこのとき掲載し、また…

杉原一司中心主義的年譜20190623

さようならnifty

1995年1月17日の阪神淡路大震災のとき、ぼくは、神戸市灘区篠原中町1-4-15メゾン六甲403号室に住んでいた(いまもあるのかどうか)。その日は、修士論文の提出日であったため、眠ることなく最後の詰めの作業を行っていた。ちょうど、英語でSumallyを書き上げ…

『メビウスの地平』を探せ!

ずいぶんひさしぶりになりました。(懺悔)。 先日、日本の古本屋をうろついていたら、永田和宏の第一歌集『メビウスの地平』茱萸書房1975 が高くない価格で出ていた。ぼくはすでに数年前に最も信頼する古書店・石神井書林で保存状態のすばらしすぎる「メビ…

鳥取で simフリー の iPhone をつかう(Y!mobile UQ mobile iPhone7)

iPhone8が発売になるという噂がながれていたころ、ぼくのiPhone6はGPSとWi-Fiの調子をおかしくした。2017年7月くらいのことではなかったか、おかしくなったのは。 Appleでの電話相談?で、これで回復しないか試してみてくださいとか、Googleで検索したい…

どうかしてる

iPhoneのWiFiをつかみとるちからが著しく落ち、GPSもおかしくなり、ひとつきほどがすぎた。 ヤフオクでSIMフリーのWiFiルーター(ワイモバイルの白ロム)を三千円くらいでおとして UQモバイルのデータSIMをつかっている。うわさにたがわずはやい。でも、ルー…

白い花

窓に白い花が見える。 去年はどうだったかなと思うが、なんだか思い出せない。いまの仕事場になって6年目にやっと気づいたということか。 白い花は、高さ10メートルくらいの泰山木の上のほうに咲いている。もうちょっと背の低い泰山木も敷地の他のところに…

nightmare

おまえこそが邪悪なものなのだ。 知らない間に、太陽の傾く時間が遅くなっていた。まだ明るいようで、でもまたそこになにか暗い気配もひろがりつつあった。影はぼくのからだをこえて伸びていく。 それにしてもぼくは影にじぶんをみるのではなく、影そのもの…

尾崎翠の歌

吹くな風こころ因幡(いなば)にかへる夜は山川とほき母おもふ夜は 尾崎翠/稲垣眞美編『迷へる魂』筑摩書房2004 たまには短歌のことも書こうじゃないか。 というほどでもないのだが。鳥取では書家の柴山抱海(しばやまほうかい)さんが中心になって尾崎放哉…

昼飲み

金曜日は土曜日の編集企画会議に備えて京都へ行った。葵祭はおわったはずだが、いつもにもまして、人が多い感じ。こんなものかなともおもうが、京都の地下鉄から多かった気がするが。いつも通りなのかもしれない。 京都はもう夏の陽気。麻のジャケットを脱い…

リラックマの器

ぼくのともだちに、マイレージ=マイライフを地でいくひとがいる。一緒に飲んだり食べたりすると、ここはまずぼくが払いますといってカードで支払ってマイルをためていく(あとでわりかん)。彼はもともと飛行機や空港が異常なくらい好きなので、飛行機にも…

さつき

店のおばちゃん(といってもぼくよりは若いかもしれない)に、おいくつですかと聞かれた。 年齢を聞かれるというのは、2005年にウィスコンシンにいたときがもっとも多かった気がする。気がするというのは、もちろんぼくもいまより12歳くらい若かったのだから…

出町柳の小径に

京都産業大学神山ホールでの平田オリザさんの講演と永田和宏さんとの対談をきき終えたあと、バスで出町柳駅まで塔のなかまと帰り着く。そこからとりあえず晩ごはんのお店をなんの手がかりもないまま、あてどなく、こっちにありそうという嗅覚で、小径に入る…

5C

高速バスに乗ることもたまにある。 京都や大阪へはほとんどの場合、スーパーはくとを使うのだけど、時間の都合や価格の問題で、日本交通の高速バスに今日は乗った。 連休前だからと警戒して早めに席を予約してチケットを購入していた。 席の予約のときのこと…

シバザクラ

桜がちりはじめた鳥取。 むかし、シバザクラを嫌いだというひとがいた。どうしてきらいなのかという理由をきいたのか、きかなかったのか、それさえも覚えていないくらい、とにかく嫌いということが印象にのこっている。シバザクラ。それほど嫌われる類のもの…

おいしいものをちょっと

いま実家の道子がつくった大根が終わりを迎えてとにかく一気に抜かれた。もう捨てるしかないというが、皮を厚く剥いて食べると瑞々しくて、何より甘い。それで、いまお昼もほぼ生の大根サラダをがっつりたべている。 おいしいものをちょっとだけでいいから、…

コーヒー

高安国世全歌集をざーっとそれはそれは粗くみてみたところ、「コーヒー」の歌は次の二首しかないのではあるまいか。(追記。松村正直さんによって、以下の歌の指摘がありました!) カタカナ以外だとCoffeeのe一つ剥げし壁面に向いて長く待たされている/『…

わかれをかさねる

少し前に、たまたまというか、わりとよく行く道の駅に行った。何を買うというわけでもないけれど、なにか野菜があるといいなというくらいの気持で。すると、桃や梅や桜や辛夷などの束が無造作というぐらいどうでもいい感じ(どれも100円〜150円くらい…

祖母をおくる

1月27日12時35分に祖母が亡くなった。94歳だった。 両親がともに働いていたぼくは20年前に亡くなった祖父と祖母とに育ててもらった。 ひとの命に限りがあることも、祖母のそれがもうわずかしかないことも、頭ではわかっていたが。やはり、どうしようもなく泣…

牛乳

ここのところ牛乳を飲むようにしている。 どうしてかというさしたる理由があるわけではない。なんとなく500㎖パックを買った。そして、あたためて飲んでみた。するとこれが意外にも、予想以上に、おいしかった。それで、500では飽き足らず1ℓパックを今回は…

ディープ

本年度。四月からぼくは何かとディープにこだわってきていた。 ところが、積雪がこんなにディープになるのは、まったく歓迎しがたく、ほとほと疲れ果てている。 二週間前の夜に滑ってこけた尾骶骨がゆきかきのひとかきひとかきにつけて痛む。罅とかはいって…

河野裕子短歌賞のこと

河野裕子短歌賞に2年連続で応募した。 といってもぼくではなくて若人たち。少数精鋭で去年は入賞2名+入選1名。もう去年のことになってしまったけれど、本年度は入賞1名+入選3名。40名×2首の応募でしかしていないので受賞率としてはすこぶるがんば…

ことし。1月17日。

今日は1月17日。 ぼくにとっては原点回帰というかrebornというか、とても大切な日だ。 5時46分にはサンテレビをつけて黙祷。 大森荘蔵が「時は流れない」といった、まさにそのとおり。たとえば、なにごとか抱えもったままあの日からのいまをいきている…

移動しつづけ

2016年。大晦日。 今年もぎりぎり人生だった。いまやっと最後の月末しめきりを脱稿。 12月の移動はなかなかのもので、ふりかえってみる。 3ー4日。みずたまり忘年歌会&忘年会 @大山(ガンバリウス) 13日。ウェブデザイナーさん旅行代理店さんと…

羅城門(羅生門)と京都タワー

ある日の暮れ方のことである。一人の下人が、羅生門の下で雨やみを待っていた。広い門の下には、この男のほかに誰もいない。ただ、所々丹塗の剥げた、大きな円柱に、蟋蟀が一匹とまっている。 これは芥川龍之介「羅生門」の冒頭部。「羅生門」と言えば、高校…

胖大海

このところ同僚が喉をいためている。ひとりでもふたりでもなく結構たくさん。そういうみなさんに、ぼくはよくハンドマイク買わなきゃなどと擦れた声で言われる。ぼくは喉がわりとよわくて、すぐに声がでなくなる。でも仕事がら、声をださないといけないので…

歩いてみる

今朝は京都市営地下鉄五条駅界隈から丹波口駅ちかくのウェブデザイナーさんの五畳仕事場というところまで小雨のなかを歩いていってみた。途中の五条堀川の交差点にはけっこう大きな歩道橋があった。フェンスというか手すりというか、わりと低くてぼくの腰く…