おいしいものをちょっと
いま実家の道子がつくった大根が終わりを迎えてとにかく一気に抜かれた。もう捨てるしかないというが、皮を厚く剥いて食べると瑞々しくて、何より甘い。それで、いまお昼もほぼ生の大根サラダをがっつりたべている。
おいしいものをちょっとだけでいいから、食べたい。というのは、ぼくぐらいの年齢になると、ほとんどのひとがそう言う。ま、実際のところはわからないが、例えばお肉などは、明らかに量より質の年齢になった。
先日、近所の、歩いて15分ほどの焼き肉屋さんへ行った。わりと昔からのお店なのでおしゃれなお店ではないが、味は定評があるところ。舌、カルビ、横隔、など少しずついただく。うまい。それで、「今日の特選」というお肉がメニューにはあって、たずねてみると、「きょうはミスジですね」という。わーい。まさにおいしいものをちょっとだけ、ということにぴったり。