みずたまり

はしりながらねむれ

かなしみ

大学院時代にお世話になった先生が昨日お亡くなりになったという報せを受けた。研究室は違っていたが、田舎者のぼくをいつも気に掛けて声を掛けてくださったり、修士論文の副査をしていただいたり、尊敬すべき先生であった。修論の中間発表の後で励ましていただいたシーンがいまでもくっきりと思い出される。数年前には鳥取に来ていただいて、砂丘を一緒に歩いた。白樺派研究での重鎮であった先生と砂丘にある有島の歌碑の前で写真を撮り、ちょっとした講釈を受けた。
 浜坂の遠き砂丘の中にしてさびしき我を見いでけるかも  有島武郎
この歌を読んで、先生が「ほんまにさびしい歌やろぉ。相当悩んでたんやなぁ」とおっしゃっていたその声が、大阪弁が昨日聞いたように残っている。先生のご冥福をお祈りする。