みずたまり

はしりながらねむれ

ATOK2010 for Mac

atokことえり」の変換にいらつきすぎていたところ。思い切って(というほどでもないが)「ATOK2010 for Mac」を購入した。インストールしてみればこれは慣れ親しんだ感覚である。どうしてもっと早くに対処しなかったのか。

大森静佳さんが「硝子の駒」で第56回角川短歌賞を受賞した。旧月歌会や編集部でいっしょにるものとしてうれしい限りの大森さんの受賞である。その授賞式が1月21日にあるそうで案内のお便りをいただいた。かたじけない。スーパー旅割でびゅーんと飛んでいきたい気持ちである。

小池光『山鳩集』を訳あって再読している。この歌集にはおなじ短歌人の倉益敬さんが小池さんをお招きになったときの歌がある。
鳥取秋天
腰痛にくるしみながら鳥取の秋のひかりの海に出でたり
七類といふみなとより隠岐へ行くフェリー出づるときけばあやしも
蝉の殻みちばたの松にすがりをり忘機逃禅伯耆大山
大山が紅葉のやまとなるころは海のさかなはいかにか跳ねむ
美保のうみひかりをかへす秋の日のホスピス二棟も旅びとは見ゆ
牛乳を四合も飲みて青年のごとくになりぬ山の牧場
わが肺をめぐりし煙(けむ)は土にさく菊の濃紅(こべに)にかかりてゆきぬ
いまにのこる奄体(えんたい)壕をおほひつつアワダチソウの聚落なびく
コハクチョウいまだも来ぬと告げられて中の海よりゆふぐれそめぬ

このとき、ぼくははじめて小池光さんにお会いしてお話を聴き、会話を少し交わした。小池さんはぎっくり腰であった。でもって、もう一首。358ページに鳥取ゆかりの歌がある。

因幡の白兎よりかなしかる樹皮を剥かれてゆくコルクの木

そういえば。シャトー・オー・ブリオン1996を飲む機会があった。ありがたかった。