みずたまり

走りながら睡れ

湖面にひとり

カヌー山の中のダム湖でカヌーを漕ぐという仕事だった。
今日の鳥取はそれほどの日ざしもなく、湖面の風はさわやか。カヌーはひと漕ぎすると、すーっと進む。じぶんだけの力で湖面をすすむ新鮮さを感じながら、分岐から緑が濃く茂っている方へ進路をとる。漕ぎながら、ヒグラシの鳴き声や鶯の鳴き声が湖面に反響するようによくきこえるのに気づく。緑が湖面近くに枝を垂らしていてその横をすすむ。ほどなくざあざあと音がしてくる。それは滝であった。いや正確には滝ではないんかもしれない。3メートルほど水が滝のように落ちてきていた。
パドルを持つ腕をやすめると、湖面に浮いているカヌー。浮きながら流れている身体の感覚がなんとも言えずしずかだった。