みずたまり

はしりながらねむれ

ロンドン2日め③(プレミアリーグチケット、スタンフォード・ブリッジ、宮市亮、ベルギー)

宮市はしる宮市ひょうじ昼間からビールをいただいて、気分がよくなっております。時計をみると、1時半を過ぎております。おお!行かねば!とぼくは若干あせる気持があるのですが、Tくんは余裕で「ちかいですから大丈夫です」と言っております。最寄り駅はフラム・ブロードウェイ駅。乗っているとどんどん人が増えてきます。狭い地下鉄の車両がぱんぱんに。そして、それほど大きくないフラム・ブロードウェイ駅につくと、どっと人がスタンフォード・ブリッジめがけてでていきます。道を知っていようが知るまいが、とにかく流れに身を任せるという感じです。それしかできません。

この試合を見たいと思い立ったのは実はそれほど強い意志でもなかったのです。なんとなくプレミア・リーグっていけないのだろうかと見てみると、ちょうど土日に試合があります。まずぱっと思いついたのがアーセナル。サイトにいってみると日曜日にあります。対戦相手は、今期好調のトッテナム。しかもトッテナムもロンドン(この二つの試合をイーストロンドンダービーというのだそうだ)ということは、どちらも上位+どちらもロンドン=チケット入手不可能とあきらめまして、ロンドンのチームと考えておりましたら、おお!チェルシー。今年は調子がなかなかあがらなくて監督の解任まで噂がでているけれど、モウリーニョのときはほんとにつよかった。テリー、ランパート、ドロクバ。っというような回路でチェルシーの試合をみたらホームのスタンフォード・ブリッジです。うーん、何とかならないかとおもっていました。あれこれネットで探りますが、プレミアリーグのチケットは現地にいてクラブの会員に登録していないとそうとう厳しい感じ。ダフ屋はいやだし、日本の代理店だとおそろしいくらい高いのです。Tくんとこのあたりやりとりしながらなかばあきらめかけたとき、彼が言ったのです。少々のお金であきらめないほうがいいですよ、と。若人よ、ありがとう。目が醒めました。そこから、もう俄然行きたくなり、ふたりで探しに探しました。すると彼が日本の検索ではひっかからない=UKのグーグルで引っ張ってきたサイトがありました!チケットそのものの金額は定価の約2倍(しないくらい)で買えるのです!(手数料と送料と税金が加算されます。例:チケット定価51£→90£くらい+諸々=130£くらい)。 http://www.livefootballtickets.com
そうこうしてチケットがどうやら手に入りそうだなったある日、宮市選手がアーセナルからチェルシーの対戦相手のボルトンにローン移籍したことに気づいたのでした。少々のお金であきらめてはいけない、という言葉の通りです。もちろん世話になったTくんと連番の席でした。

いざ入場のときは、さすがに緊張しました。しかも入口のチケットの機械の調子がよくなかったこともあり、これは本物か?などとも言われたりしました。もちろん、ちゃんと入れました。開始15分前。入るとフードコートというかビール飲むところになっていてこっちも結構なぎゅうぎゅう状態。そこを通り抜けて階段のところへ行くと、美しい芝が見えます。噂にきくとおり、客席とのスペースがとにかくもうすごく近い。ラインの外側は1メートルくらいしかない感じ。その外に看板があってカメラマンがいて客席となります。大きな声をだせば、きっときこえるでしょうというような近さです。ぼくたちの席は、アッパーではなくて、グランドレベル。前半は敵が攻めてくる、宮市選手が攻め上がるならばそれが目の前でみえるゴール近くの前から7列目の席。結果的にはボルトンが弱すぎて宮市選手の得点チェンスはなかったのですが、彼もそうとうに存在感があって、はやい選手に見えました。後半は、チェルシーが攻める攻める。そして、ランパートもドロクバも得点してくれて、そのシーンを目の前間近でみることができました。

ムール貝miret夜はコヴェント・ガーデンのベルギー料理の店BELGOというところへ。二人でのっていく地下鉄。乗り換えのとき、ぼくが乗るとドアがしまってしまい別れちゃいまして、などちょっとしたハプニングもありましたがなんとか、なりました。それで、どうしてベルギー料理なのかというと、実はぼくは、日曜日にはユーロスターでベルギーのブルージュへ行ってみようと思っていました。けれど、思い立ったのが遅かったようで、チケットの予約が可能なもっとも早い便がロンドンを9時くらいのものでありました。ブリュッセルまで2時間と少し、 そして、ブリュッセルからもう1時間くらいというのがブルージュへの道。そういうことで、ベルギーをあきらめたという経緯がありました。それをTくんは知っていて、気分だけでもベルギーへといってつれてきてくれましたのでした。ムール貝ベルギービールのタップなどいただきました。ムール貝鳥取で言えばイ貝みたいな感じ。白ワインとオニオンがベースの味で、全く臭くなくてほんとにおいしいものでした。そうそう。ベルギー流はたべた殻をつかって次の貝から身を摘み出すのだそうです。それから、Tくんはパディントンから乗り換えて家に帰るということだったので、ぼくのホテルの側のパブMitreへ行って一杯だけ飲みました。もう別れる時間です。Tくんには、案内をしてもらって、本当に感謝しています。ありがたかったです。そしてまた、ぼくが知っているときから10年とすこしたって、ほんとに落ち着いて穏やかな青年になっている彼とあれこれ語り合ったのをとても愉しくうれしくおもいました。また会うことを約束し、握手をしてパディントン駅でわかれました。奇跡のようなすばらしい一日をロンドンですごすことができました。