みずたまり

はしりながらねむれ

あたらしい世界

トミー・フラナガン木曜の夜。10時くらいだったろうか、急に飲みたくなってふらっとノーグランに行った。ノーグランは移転して再開してからとものすごく混雑していて、座るのもむずかしい夏だった。歩いていく道すがら空いているのかと心配していた。階段で二人のひととすれ違い、すくなくともひとりのぼくは座れるなとおもって扉をあけると、貸し切りであった!マスターとふたり。前のノーグランのときはこういうことしょっちゅーあって、なんだかうれしくなる。飲んでいると、LPがトミー・フラナガンの「ECLYPSO」に変わった。トミフラといえば、なんとなくいい感じのピアノだなーっておもうと、ああトミフラかというようにリーダーではない感じをもつのだけれど。このアルバムは晩年の名演奏。いいんだなぁこの力の抜け具合。若い頃は(いや今でもすきだけど)ごりごり熱のこもったハードな演奏でなければいやだったのに、いまとなっては、何気なく力のぬけた気取らない演奏をいいなぁと思う。などマスターにいうと、そうなんです!と。マスターも同意見。というか、あらくれにほんかいさんもここまできましたねーって。まだまだ知らない世界のよさが加齢にとともにひらかれていくっていいんだなぁ。など語り合っておりまして、つぎのLPをGeorge shearingのソロアルバムMY SHIP」にしてくださる。おー。イージーリスニングと力の抜けた王道との境目の感じ。若い頃なら完全に否定していたなーって言うと、マスターも同意見。しかし、聴いているとこれもまた心地よい。そして、アルバムはGogi Grantの「Torch Time」の粘りのある歌に。ははーっ。知らない世界がひろがっております。