みずたまり

はしりながらねむれ

有島武郎歌碑

本日(2005年1月11日)の朝日新聞鳥取版の「砂丘ある記」というエッセイに有島武郎が砂丘で詠んだ歌が引用されていた。しかし、間違っている。有島は情死する約1月前に鳥取に来てこの歌を詠んだ。2年ほど前、西垣勤先生を鳥取にお迎えしたときに一緒に砂丘へ行き、この歌碑とそれから少し離れた見晴らしのよいところにある与謝野晶子と有島の歌碑を見、解説をいただいた。
 浜坂の遠き砂丘の中にしてさびしき我を見いでけるかも  有島武郎
西垣先生は「ほんまにさびしい歌やろぉ。相当悩んでたんやなぁ」とおっしゃっていた。このときにはもはや情死することが選択肢としてあったのだろうか。そうそう、ちなみに記事中の引用では「さびしき我」が「さびしき秋」になっていた。残念。