みずたまり

はしりながらねむれ

Little Birds

little birdsLittle Birds-イラク戦火の家族たち-」という映画の自主上映会が鳥取県民文化会館第1会議室であった。この映画は綿井健陽さんの第1回監督作品。製作・編集は森達也さんとのよい仕事(『A』『A2』)が記憶に強く残っている安岡卓治さん。綿井さんは「ニュースステーション(当時)」や「News23」で2003年3月20日以降のバグダットの中継リポートをなさった方である。映画を観ながら声を聞いていると確かに聞き覚えがある声だ。ドキュメンタリーの王道を行くような作りと内容であった。本日の鳥取は昨年の本日同様雪がふっていた。雪道を帰りながらイラクへの空爆からの3年を思った。鈍化している我は。反省。

県知事賞に応募した短歌をここに記しておく。

  空爆のサイレン    あらくれにほんかい
立ち止まり祈る人なきグランド・ゼロ小舟にのりてたどりつく島
次のビルの建設予定地そばに在る我に空爆のサイレンが鳴る
雨降ればメイプル紅葉色深め葉の音軽くなりて落ちゆく
崩壊のビル映像を封印しフェンスで囲まば正義の記憶
金網にクリスマスリース飾られて建設現場にクリスマス近し
黒き土掘り返される記憶にはあべこべ鳩を追いかける民
意志弱き玄関のブーツ外ばかり気になる我の眼球黒し
手を合わせ祈る頭のわんわんと民族(ネーション)という虚構を出でず
チューリップの球根植えたし死者がみな千の風になるグランド・ゼロ
生きる意志が今の自分を支えると言いしサイードのキャンパスに立つ