みずたまり

はしりながらねむれ

佐太郎の大山

佐太郎の第7歌集『群丘』は佐太郎が47歳から52歳の作品がさめられている。鳥取の大山を訪れたのは49歳のとき。
**********
・大山(だいせん)のなかのみ寺に行くときに水なき谷を幾つわたりつ
・若葉せし�摘(ぶな)の林にをりをりにとよもす風の音はきこゆる
・大山の蓮浄院はしづかなる縁(えん)にひろげてぜんまいを乾す
・ひとしきりとよもす風に大山の蓮浄院の屋根の萱とぶ
・ひろびろと山に傾く石の磧(かはら)精進谷に雨しぶき降る
**********(「昭和三十三年 Ⅱ大山)