みずたまり

はしりながらねむれ

ロンドン3日め①(ウィンザー城とイートン校)

すらういき城外観昨夜Tくんと飲みながら、これはもうウィンザー城に行きたいという気持になってきました。ウィンザー城は『るるぶ』では「ショートトリップへ出かけよう」というところに載っています。『地球の歩き方』では、「ロンドンからの小旅行」という項目もあるのですがそこにはなく、「郊外」というくくりに載っています。二つの旅の本が想定している読者の違いが見えてくるようです。ウィンザー城のことについては、『るるぶ』の方が詳しい感じです。旅初心者の小旅行に悔いを残させないという親心的な配慮を覚えもします。などとゆっくりしていたらもう9時過ぎてます。あわてて、HPで列車の運行状況を見ます。ちょうどnational railのパディントン駅から簡単に行けるようで、パディントンからスロウslough駅に行って、そこで乗り換えるとウィンザーwindsor駅へ着くようです。HPでの検索がとても簡単だったので、iPhoneの画面でも検索してそれを画像でとって持って行くことにしました。そういえば、ぼくはiPhoneMacBookをもってきているのですが、ホテルはWi-Fiが飛んでいて、ホテルでざざっとしらべて、あとは旅の本をもって歩くという感じです。Wi-Fiが街中ではそれほど飛んでいないので、グーグルマップで目的地の地図を検索してそれを画像で保存して使ったりもしています。iPhoneってすばらしいです。そなんなこんなでパディントン駅についたのが9時45分ごろ。10時15分発の便に乗ることにきめて、当日の往復割引にてチケットを買いました。片道なら9£、当日往復なら12£というありがたくもむちゃくちゃな割引の仕方です。チケットはタッチパネルの券売機で買うことができます。言語の選択に日本語がないというのはこちらではまあ普通です。EU圏内への意識は高いわけですが。やはりこういうときもランディとキャシーとジョージの顔が浮かんできます。彼らなくしてぼくがこんなふうに一人で国外を歩き回るなどということはできないわけです。ウィスコンシンよありがとう。

ガイドアパートメンツ乗り換えを含めて50分くらいの時間があるので駅でベーグルとコーヒーを購入。構内の掲示でスロウ行きが何番ホームか見ます。ですが、出てきません。iPhoneに残した画像では14番となっています。仕方なく14番にいきまして、掲示をまちます。ちなみに14番は一番端っこ。10時5分になってもでてきません。ニューヨークのアムトラックのホームのときと同じなのか、と思いつつ、ちょうど係の人が通ったので聞いてみました。すると「11番だから連絡通路を通って向こうだぞ」と。え!「でも14とネットではかいてるよ」といいましたら、無線で問い合わせてくれて「やっぱり11だ。急いで。」ということで、ダッシュ。ベーグルの温かさを手に感じながら登って降りて、運転手に「スロウに行くか」と聞いて、ぎりぎり乗り込みました。予想よりもしっかり席がうまっていて、あれ、みんなどうやって知ったのかしらなどとおもいつつ空いてる席に坐りました。日本人の方もいるようです。ベーグルを食べながら眺める車窓には田園風景が美しく広がっています。カズオ・イシグロ『日の名残』や『私を離さないで』で描かれていた風景はきっとこういう感じだったのだろうなどと思います。そう思うと、なんとも浸れるわけです。40分くらいでスロウ駅についてすぐ乗り換えます。列車が止まって待っていました。乗り込むと、さっきぼくの席の斜め前にひとり座っていた青年がいました。ちょっと声をかけて前の席にすわって話しました。スロウからウインザーはとてもちかくて10分くらいではなかったでしょうか。車両からでると左手にウィンザー城が見えます。美しい。このひとことです。ちょうど晴天で青い空にその姿が神々しくといえば大袈裟ですが、すばらしい景色です。

窓からおおかん後に名前を知ることになったさっき話した青年Hくんがいっしょに行きませんかというの言うので、断る理由もなく歩きながら話をします。聞けばHくんは、立命館大学の4回生でひとり卒業旅行としてパリ・ロンドン・ミュンヘンを行くのだと言います。どうやら彼はパリが合わなかったらしく、ロンドンはすごくいいと言っていました。入城料を払って、セキュリティチェック(空港と同じ感じ)をうけて、無料のガイド(日本語もあります)を借りていざ歩きます。彼とはここで別れてまた単独行動です。ほんの少し歩いたあたりでガイドの調子がよくなくてノイズがたびたび入ることが気になります。これから先が長いのにと思い、引き返して交換してもらいます。さて、ウィンザー城。要塞として迎賓館としてこれは筆舌に尽くしがたい念の入れようです。特に、ステイツアパートメンツでは、いくつもの部屋の造りの豪華さや陳列されている武具や調度品や絵画のコレクションが半端なくつづきます。もう途中からつかれてしまってガイドも端折りたくなるくらい相当な質と量です。これが王なのだというのを見せつけられる感じです。感嘆だけではなくちょっとしたざらり感もないことはないような気がしてきます。ラウンド・タワーに旗があがっているときは女王滞在だということなので、本日は滞在中のようです。衛兵交代式は日曜日はやってないということ、同じくセントジョーンズ・チャペルも日曜日は中に入れないということで、ざっと外観をみるだけでした。(王室の記の冠がいたるところに配されていることにも気づきました。ポストにも街灯にも。)そうして約2時間くらいだったでしょうか見て回ったあたりでまたHくんに出会います。ざっとちかくのお土産物やさん界隈を歩いて、イートン校に行こうということになりました。ふたりで歩きました。

イートン校バスイートン校。といえば、これまた高校時代の教科書に載っていたような気がします。love story。男の方がイートン校でしたような気がします。女性が白血病で亡くなるような感じでした(かなりうろ覚え)。そうそうこれは一般的には「ある愛の詩」という邦訳でしられると当時の英語の先生が言っていたような気がします。「love means never having say you're sorry.」先生が熱をこめて言っておりました。直訳すれば愛とは決してごめんなさいと言わないこと、なのだが、愛とは決して後悔しないこと、と訳すと素敵でしょう、と。いま思い返すと先生も必死にそういう文化を伝えようとしてくれていたのかもしれません。そんなことを思いながらイートン校までの1キロとすこしくらいを歩いていって引き返してきました。3時2分にスロウ駅を出る列車にのって4時頃パディントンにつき、スワンでいっぱいのんで、ロンドン大学へ行きました。が、日曜なのでブックストア(student storeと書いてありました)が閉まっていたのでグッズは買えず。帰りはまだ乗っていなかったバスに乗りました。ちょうどロンドン大学のそばのバス停から390というラインでランカスターゲイトまで行けそうだったので乗ってみました。もちろん2階に乗りまして、無事ホテルに帰りました。ものすごくたくさん歩いたので足と腰がくたびれています。いよいよ明日は最終日。