みずたまり

はしりながらねむれ

みずたまり第44回例会

いつも通りのメンバーでみずたまり第44回例会が開かれた。題詠は「みどり」。さてさて、いつもの通り、池本一郎選3首。
 ◎みどりからしたたり落ちる水滴はみどりの匂い 地球の朝に 【makimaki】
 ○ドアが開く「いらっしゃいませこんにちは」センサー反応複合新語 【中】
 ○公園の芝刈る人らが汗流す立ち入り禁止を楽しむために 【いの】
この日ぼくは仕事があっぷあっぷで遅刻してしまいトホホ。なんと○の2首の評を聞いていない。残念。みずたまりあんの方コメント記入頼みます。特にいつもPCでメモっているいのさん!
 ◎「みどりから」の歌。リアルに写実をすることを通してあるシンボリックでだれでもが共感できる結晶化されたものを表現できる。この歌のばあい「みどりからしたたり落ちる水滴」が「みどりの匂い」(「みどりの深し」にできるかもとの指摘もあり)と表現しているあたりがまさに写実によるリアリティを生み出しているとのこと。参加したみずたまりあんも多く共感をもっていたが「地球の朝に」に疑問の声あり。池本先生は、「確かに言いすぎという感じがする。個人的には《ふるさとの朝》くらいでよいのではないか」と。そういう点はあるにせよ印象的な歌で◎。ちなみに、例会後のこれまた恒例になっている反省例会(参加者もいつものメンバー=反省好き)で判明したことだが、makimakiさんは3回連続の池本選◎。3ヶ月独占とはなんということか!おそるべし。ああ、うらやましぃ~。なお、互選で最多得票は◎「みどりから」の歌と○「ドアが開く」の歌がそれぞれ3票。といってもこれらの歌だけに評が集中したわけではなく、今回は選も好みもばらけた感じか。
 それから、【中】さんが、みどりにちなんだ①日本固有の慣用色見本、②河野裕子『現代うた景色』京都新聞社1994のなかの池本先生の歌「母を抱く夏の氷を抱くごとく家族ら寄りて納棺のとき」の解説ページ、③吉川宏志「リアルということ」(『短歌』角川出版2004年5月号)他のコピーを配布してくださった。勉強になる。
 次の45回例会の題詠は「水」。それから、大伴家持大賞の今年の題が「時」らしいので45、46回例会では「時」も意識的に詠むようにしたいと反省例会では確認した。