みずたまり

はしりながらねむれ

みずたまり第51回例会終了

久しぶりのみずたまり例会に参加しました。50回を突破して勢いに乗る!?みずたまり。午後2時半から7時までしっかりめいっぱいの例会でした。いつもの通り、池本一郎先生の選。
 ◎ 九条を音読しているランティの英語 しずかにしずかに雪降る(あらくれ)
 ○ 待ち人が現れるはずの戸口だけぼんやり見ている 雪は降り積む(貴)
 ○ モンブラン万年筆は今日もあるショーウィンドウのいちばん左(中)
 「九条を」のぼくの歌が◎とはうれしい限り。九条という人類普遍の思想を外国人が読んでいるということと「しずかにしずかに雪降る」があっていると。ただし、先生は「英語」ではなく「英語調」「日本語」にした方が歌としてよくなるのではないかとも。うーん。英語版九条を読んでいるそのランディの英語にもいかにも崇高な重みがあるように聞き入る作者という図は無理なのでしょうか。
 「待ち人が」のコバちゃんの歌。来るだろう待ち人をただ待っている。雪の激しさがその戸口を遠くにしたり近くにしたりしている。そういう感じがよく出ていると。「はず」→「だろう」、「戸口だけ」→「出入り口」、「降り積む」→「降りしきる」などに変更可能かとも。
 「モンブラン」の中本さんの歌。これは題詠「デパート」の中から。デパートがひとつの高い価値を持つ指標であったという時代を引き受けた作品だということ。「ショーウィンドウ」に万年筆を展示するのは不釣り合いとの意見もあった。「いちばん左」にはそれほど意味がないのであればそこも代替可能かとも。
 互選最多得票は「森の夜のストローク長き流星は疲れたぼくを気遣っている」というぼくの歌。先生からは「ストローク」を再考せよとのこと。みずたまりあんからはこれがいいとも。「疲れたぼくを気遣っている」→「疲れたぼくにまっすぐ届く」などにとのこと。なるほど!
 ものすごく濃かった本日の例会。みなさまごくろうさまでした。50回を突破したことを祝う宴@はせ川も盛況でした。はせ川の料理はいついってもすばらしい。コストパフォーマンス◎。それから池本先生の51首をみずたまりあんで評したものを先生にプレゼント(中本さん企画)しました。先生がずいぶんよろこんでくださいました。よかったよかった。最後は余力のある有志でビザールへ。ここでの議論も楽しく盛り上がりました。短歌は楽しい、みずたまりはたのしいという一日でした。